殺生ヒュッテとテント場(槍沢上部)
Packing List

テント泊(夏山)の持ち物リスト

33項目のチェックリスト

写真:Alpsdake/CC BY-SA 4.0

かんたんに言うと

夏山のテント泊の持ち物は、山小屋泊の装備(雨具・防寒着・ヘッドランプ・地図・救急用品など)に、テント・寝袋・マット・ストーブ(バーナー)・燃料・クッカー・食料を足した物です。テント場では食事が出ないことが多いので、食べる物はすべて背負う前提で考えます。北アルプスの多くのテント場は幕営料が1人1泊2,000円(2026年)で現地払いなので、現金も忘れずに持ちます。

テント泊は、寝る場所と食事を自分で運ぶ山旅です。荷物が重くなるほど歩くのがつらくなり、転倒や疲れによる事故にもつながります。このリストでは、まず寝る道具と食べる道具、次に山を歩くための安全の装備、最後にテント場や近くの山小屋で借りられる・買える物(2026年の公式情報)を分けました。持ち物を一つずつ確かめて、軽くできるところを探してください。

寝る道具

  • 雨風をしのいで眠るための家です。山のテント場は狭く地面も固いので、山で使うことを前提にした物を選びます。

    選ぶ目安:1〜2人用の自立式で、山岳用の物が目安。重さはザック全体の重さを左右するので、公式の仕様で「最小重量」と「総重量」を比べます。

  • 風の強いテント場でテントを地面に固定します。地面が固く石が多いテント場では、石に綱を結ぶこともあります。

    選ぶ目安:テントに付属の物に加え、地面に合わせて予備を数本。

  • 夏でも稜線のテント場は夜冷えるので、体温を保って眠るために使います。

    選ぶ目安:メーカーが示す快適に使える温度(快適温度)を見て、行く場所の夜の気温に合う物を選ぶのが目安。中わたはダウンなら軽く小さく、化繊なら濡れに強い物になります。

  • 地面からの冷えと、でこぼこを和らげます。寝袋だけでは背中が冷えます。

    選ぶ目安:空気を入れるタイプは軽く小さく、ウレタンのタイプはパンクの心配がありません。断熱性はメーカーが示す数値(R値)を目安に比べます。

  • テントの底を傷や水から守ります。

    選ぶ目安:テントの底の大きさに合う物。テント専用の物があればそれを使います。

  • 首が楽になり、眠りやすくなります。

    選ぶ目安:空気を入れる小さな物か、着替えを袋に詰めて代わりにしても構いません。

食べる・飲む道具

  • お湯をわかし、食事を作ります。テント場では食事の提供がないことが多くあります。

    選ぶ目安:ガスカートリッジ式が扱いやすい目安。ガスカートリッジは、器具の本体や説明書に書かれた対応する物を使います(NITE)。

    テントの中など換気の悪い場所で使うと一酸化炭素中毒のおそれがあります。必ず風通しのよい外で使います(NITE)。

  • ストーブの燃料です。足りなくなると、お湯もわかせません。

    選ぶ目安:日数と作る料理で量を決めます。小さめの缶を1つ、が1泊のひとつの目安。使う前に器具との接続部の汚れや劣化を確かめます(NITE)。

    高温になる車内などに置いたままにしないでください(NITE)。

  • お湯をわかしたり、料理を作ったりします。

    選ぶ目安:1人ならお湯を0.5〜1Lわかせる大きさが目安。燃料の缶やストーブを中にしまえる物だと荷物がまとまります。

  • 食べる・飲むために使います。

    選ぶ目安:軽くて、クッカーと重ねられる物。

  • 点火装置が壊れたときや、寒さで火がつきにくいときの予備です。

    選ぶ目安:小さなライターを1つ。

  • 山の上で食べる物はすべて背負います。予定より1日遅れることも考えて、予備も入れます。

    選ぶ目安:お湯を注ぐだけで食べられる物など、軽くてゴミの少ない物が目安。予備は1食分ほど。

  • 飲む分に加えて、料理に使う水も必要です。水が有料のテント場もあります。

    選ぶ目安:飲み水用のボトルと、テント場で水をためておける折りたためる水袋。量は水場の有無と料理で決めます。

  • 食べ物のゴミは自分で持ち帰ります。においを残すと野生の動物を引き寄せます(環境省の注意事項)。

    選ぶ目安:口を閉じられる袋を2〜3枚。においの漏れにくい物があると安心です。

歩く・身を守る装備

  • テント・寝袋・食料をまとめて背負います。

    選ぶ目安:1〜2泊のテント泊なら容量50〜65Lが目安。重い荷物を腰で支えられる、しっかりした腰ベルトのある物。

  • 寝袋や着替えが濡れると、夜に体が温まりません。

    選ぶ目安:ザックに合うカバーと、寝袋・着替えを入れる防水の袋。

  • 重い荷物を背負って歩くので、足首を支え、足裏を守ります。

    選ぶ目安:足首まで覆い、靴底が硬めの物が目安。重い荷物を背負って履き慣らしておきます。

  • 雨と風から体を守り、低体温症を防ぎます。テント場での風よけにもなります。

    選ぶ目安:上下に分かれた防水透湿性の物。フード付き。

  • 夕方からテント場で過ごす間と、寝るときの冷え対策に使います。

    選ぶ目安:薄手のダウンや化繊綿のジャケットが目安。寝袋の中で着ることもできます。

  • 汗冷えを防ぎ、テント場では乾いた服に着替えます。

    選ぶ目安:化繊かウールの物。肌着と靴下の替えを1組。

  • テント場の夜と早朝の出発に欠かせません。警察庁・長野県が持つように求める装備です。

    選ぶ目安:明るさを切り替えられる物と、予備電池(予備のバッテリー)。

  • 道迷いを防ぎ、今いる場所を確かめるために使います。

    選ぶ目安:紙の登山地図とコンパス。アプリは地図を事前にダウンロードしておきます。

  • けがや靴ずれの手当てに使います。

    選ぶ目安:ばんそうこう、テーピングテープ、常備薬など。

  • 地図アプリと、もしものときの連絡手段です。テント泊では充電できる場所が限られます。

    選ぶ目安:日数分のスマートフォンの充電ができる容量が目安。

  • 動けなくなったときに体温を保ちます。テントがあっても、テント場に着く前の事故に備えます。

    選ぶ目安:薄くて小さな物を1枚。

  • もしものときの捜索・救助の手がかりになります。提出し、家族と共有します。

    選ぶ目安:テント場の名前と、予定の日程を書いておきます。

  • 幕営料(テント場の利用料)を現地で払います。水や食事を買うこともあります。

    選ぶ目安:北アルプスの多くのテント場は1人1泊2,000円(2026年)。水代や売店の分を足します。

  • 日差しと、朝晩の冷えから体を守ります。

    選ぶ目安:日よけの帽子と薄手の手袋。秋は保温できる物を足します。

テント場で借りられる・買えるもの

  • テントを持っていない人は、テント場で借りられることがあります。

    選ぶ目安:涸沢ヒュッテは4人用を1張12,000円で貸し出し(要予約、別に幕営料。2026年)。徳沢キャンプ場(徳澤園)にもレンタルテントがあります(数に限り)。

  • マットや寝袋を借りて、荷物を減らせるキャンプ場もあります。

    選ぶ目安:上高地の小梨平キャンプ場は、テントの貸し出しはありませんが、マット・シュラフなどを有料で貸しています(2026年)。

  • テント場の水は、無料のところと有料のところがあります。

    選ぶ目安:穂高岳山荘はテント泊なら無料、槍ヶ岳山荘は宿泊者以外1L200円、南岳小屋はテント泊1L100円、槍沢ロッヂは小屋前の蛇口で無料(2026年)。

  • テント泊でも、小屋の食事やお弁当を頼めるところがあります。頼めないところもあるので、食料は持っていくのが基本です。

    選ぶ目安:穂高岳山荘はテント泊でも16時まで食事・お弁当を注文可。槍ヶ岳山荘はお弁当のみ。横尾山荘・南岳小屋・殺生小屋はテント泊の人への朝夕食の提供なし(2026年)。

  • テント泊の人も、有料で充電できる小屋があります。

    選ぶ目安:槍ヶ岳山荘・南岳小屋・槍沢ロッヂはテント泊・通過は30分100円、蝶ヶ岳ヒュッテはテント泊1回200円(2026年)。

季節で変わること

夏でも稜線のテント場は夜から朝にかけて冷え込みます。寝袋は、行くテント場の標高と時期に合う温度の物を選び、足りないときは防寒着を着て寝ます。夏は午後の雷雨が多いので、早めに着いて設営します。9月以降は夜の冷え込みが強くなり、寝袋とマットを暖かい物にし、手袋や帽子を足します。10月以降は北アルプスの高いテント場で雪が降ることもあるので、テント場や山小屋の公式の案内を確かめます。

よくある質問

テント泊のザックは何リットルあればいいですか?

1〜2泊の夏山のテント泊なら50〜65Lが目安です。テント・寝袋・マット・調理道具・食料を入れるので、山小屋泊(30〜40Lが目安)より大きくなります。荷物を減らせれば、小さめのザックでも収まります。

夏山のテント泊でも寝袋は冬用が必要ですか?

冬用までは必要ないことが多いですが、稜線のテント場は夏でも夜に冷え込みます。メーカーが示す快適温度を見て、行く場所の夜の気温に合う物を選ぶのが目安です。足りないときは防寒着を着て寝ます。

テント場は予約が必要ですか?

テント場によります。北アルプスでは予約不要で当日受付のテント場が多い一方、尾瀬沼キャンプ場や白駒池のテント場のように予約が必要なところもあります(2026年)。詳しくは「テント場は予約が必要?」の記事で比べています。

テントの中でバーナーを使ってもいいですか?

使わないでください。NITE(製品評価技術基盤機構)は、テントの中など換気が不十分な場所でガスこんろやストーブ、ランタンを使うと一酸化炭素中毒のおそれがあるとして、屋外の風通しのよい場所で使うよう呼びかけています。

テント泊で水はどうすればいいですか?

テント場の水は、無料・有料・水場なしとさまざまです。穂高岳山荘はテント泊なら無料、槍ヶ岳山荘は宿泊者以外1L200円です(2026年)。水が有料・天水のテント場では、量を考えて持っていきます。

テントを持っていなくてもテント泊はできますか?

テント場によってはレンタルテントがあります。涸沢ヒュッテは4人用を1張12,000円で貸し出しています(要予約、別に幕営料、2026年)。数に限りがあるので、早めに予約します。

出典と確認日

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